なぜ富士山はあまりおすすめしない山なのかは前回お話ししました。
今回は実際に登ってみたときのことを書きたいと思います。
この記事は、これから富士山に登ろうと思っている人にはあまりおすすめしません。
また、富士山に登ることが好きな人にもおすすめしません。
目次
富士山に登る
富士山には登山ルートが4つあります。私はこのうち富士宮ルートを登ることにしました。
理由は関西から車で行くのに一番近いことと、ルートが一番短いこと。あと人があまりいないというルートだったので、富士宮ルートを選びました。
予定では昼ごろから登山スタート。5合目から登り始め、7合目の山小屋で一泊。山頂で御来光をみようという計画でした。
京都から富士山の駐車場まで約5時間。高速道路を車で走ります。駐車場の水ヶ塚公園に着いたのは午前10時。天気は曇り。富士山は全く見えませんでした。
駐車場に車を止めてバスに乗ります。
11時45分。バスを降りるとそこは五合目。
富士山5合目。すでに2400m・・・この時点でなんかなーという気分になります。
1合目から登るという手もあったんですけど、富士山に対するマイナスの感情があるせいであまり気乗りせず。世間一般で言われる富士山登山をしようと思ったので5合目からのスタートです。
普通の人は2400mだって!すごい高いね。となるかもしれませんが、バス降りてすぐに2400mって・・・となってしまいました。立山室堂は2300mなのにね。ここですでに富士山に対してあまりいい感情は持っていません。
ちなみに富士山は火山で、この時点で2400mなのであまり植物には期待できません。下のほうはたくさん咲いているんでしょうけど、登山道に花は期待しないほうがいいです。
そんなこと言いながら、クルマユリ見つけたんですけど。
15分ほど歩くと6合目に到着します。富士山は2013年に世界遺産に認定されました。外国の方も多く登られています。観光地なんで仕方ないですよね。6合目まですぐですし。6合目で何かをするわけではなく、7合目を目指します。
12時50分。御来光山荘へ到着。ここは新7合目となります。
富士山は6合目、7合目、8合目と各休憩所がしっかりと設置されています。こういうところがいいんでしょうか。避難所としてはとても助かりますが、こういうところも苦手です。山小屋でなくてもいいじゃんとなってしまいます。
本日のお宿は元祖7合目にしていましたので、先を急ぎます。
富士宮ルートはこんな感じ。天気が悪くて何も見えませんが、ゴツゴツした岩が多いです。
標高が高いので、木は生えていません。また火山で単独峰という性質上、風が強いのであまり育たないのでしょう。
とりあえず、歩いていても何も楽しくありません。本当にもくもくと歩きます。
気が付けば3000mを超えてきます。しかし何の気持ちも湧きません。これが富士山なのか。
そうこうしているうちに本日のお宿が見えてきます。
いやーごつごつした岩しか見えませんね。槍、穂高、劔と岩の印象強い山ですが、そういった山は登っていても美しい。岩も黒くありませんし、梯子があったり、スリリングなところがあったり。富士山も遠くから見ると美しいですが、槍、穂高、劔に比べると、どうしても心が惹かれません。
本日のお宿に到着
午後2時。本日のお宿に到着。元祖7合目で一泊することとしていました。
こちらは3010m。高いですね。山小屋は簡単な作りで、大部屋と食堂と、、、といった感じ。特筆すべきことはあまりなかったと思います。
こんなところで明日の御来光までの時間をどう過ごすのか。ここまで2時間だったので、まだまだ体力的に余裕がありました。
暇だったので、先に行ってみることにします。具体的には山頂まで。
とりあえず山頂まで
登っていると晴れてきました。空が近いです。3000mの世界ってこんな感じなんですね。
しかし8合目を過ぎたあたりから足が重くなります。8合目というと、3200mになります。
かなり空気が薄く感じます。一歩一歩が思い。少し動くだけで息が上がります。
へーへー言いながら、頂上近くに到着。
しかし時刻は5時となっていました。通常ならあり得ないと思いますが、この時間でも結構歩いている人がいました。明るいし大丈夫でしょ。とか言ってしまうあたり、まだまだ登山初心者。
そんなことよりも想像以上に体力を消耗しています。特に3500mを超えた辺りから足が動きません。9合目から山頂まで1時間ですが、1時間30分かかってしまいました。
本当に一歩一歩が思い、高いところに来たのだと実感します。でもそれは空気の薄さぐらいしか感じることができませんでした。下界は曇り。まったく展望がありません。
アルプスに登ると山頂付近では他の山並みが見えます。槍、穂高であったり、この富士山であったり。
富士宮ルートは静岡から登るルート。南側は太平洋となっているため、見えるのは海なんでしょう。(このときは雲だけだったのでわからず。)
関西では伊吹山みたいなものなんでしょうか。(伊吹山では琵琶湖がずっと見えています)
富士山山頂へ
あーだこーだ言いながら午後5時。山頂に到着。というか、まだ写真のとおり浅間神社奥社なんですけど。
富士山の山頂は剣ヶ峰。気象台の観測所があるところです。しかし時間的にそこまで行く余裕はないと判断。すぐに下山します。
午後6時45分。お宿に到着。もう山頂まで行ったし、もう帰ろうかなとも思います。
どこの山に行っても御来光は感動するものと白山のときに思いました。せめて日本一高い山で御来光を拝みたい。ということで、山小屋で仮眠をすることにします。
ちなみに晩御飯はカレー。これも富士山が嫌になる理由です。正直、あまりおいしくなかった。
いや、山小屋で温かいものが食べれるのはすごく助かりますが、カレーに全くありがたみを感じませんでした。よくあるレトルトのカレーなのかと思ってしまうほど。
三俣山荘と比べることはおこがましいと思いますが、三俣山荘で食べたジビエシチューはすごく手の込んでいた一品。山で食べる料理の最高峰だとも思います。
食材の調達とかが難しくても、料理として工夫をして山小屋の特色を出してほしかった。食べた感じ、普通のレトルトカレーなのかと思う晩御飯を食べることになるとは思いませんでした。
書き忘れていましたが、富士宮ルートでは、資材運搬用のブルドーザーが見えました。斜面を走るブルドーザー。山に来たという感じが全くしません。ここは工事現場なのかと思ってしまうほどでした。
いろいろあるのはわかります。しかし純粋な山登りという点で、やはり富士山はあまり好ましくないのではないかと思ってしまうのです。
しかしそれも御来光を見たら変わるのでは。と思い、仮眠することにします。
時期はちょうど7月末。夏休みに入ったことから、平日であっても山小屋は混んでいました。布団2枚に3人で寝ることになりました。大部屋を見ると、空いている布団がありましたが。山小屋なんで、そこらへんの調整は仕方ないんですけどね。
午後9時くらいに消灯だったと思います。しかしあまり寝れません。他の人は山小屋に慣れていない方が多かったらしく、午後9時に消灯というのは早すぎたのかもしれません。11時くらいになってもガサガサという音が気になりました。
寝ようと思っていても寝れない。そして午後10時ぐらいから、頭痛が。
まさに高山病の症状です。いままで3000mを何度か登りましたが、頭痛が出るほどの高山病はなかったです。
しかし頭痛で寝ることも難しくなってくる状態。結局午前2時に寝ることを諦め、御来光を拝みに山頂を目指すことにします。
真夜中の富士山
これは昼間ではありません。お月様がかなり明るかったです。
ライトを持っていましたが、必要ないかと思うぐらいに。
さすがに午前2時は誰も登っていないだろうと思いましたが、それでも登っている人は何人かいました。ちなみに真夏でも夜の富士山の気温は6℃ぐらいでした。風もあって寒かったです。
夏の日の出は午前5時くらい。さすがに3時間もあれば山頂に行けるだろうと思います。
しかし、頭痛がひどい。歩いていると大丈夫だったんですが、止まると吐き気がするぐらいの頭痛がします。完全な高山病でしたが、動いていると意外と大丈夫だったので歩きます。
午前4時20分。9合目に到着します。ここまで2時間。コースタイムは70分なので、すごい遅れています。この時点で午前5時に山頂にいることは不可能と判断。9合目で御来光を拝むことにします。
ついに御来光
午前4時40分、空が明るくなり始めます。
明るくから、赤くなり始めました。
まだ日は登っていませんが、まだかまだかという気持ちになります。
ついに太陽が昇ってきます。
ろうそくの明かりのような顔の出し方。しかし、まぎれもなく御来光です。
本当に山の上から見る御来光は神秘的に思えます。神様の存在を確認したような気がします。
まだ完全には太陽が登り切っていませんが、ほんのりと温かく感じます。
まさに御来光です。登ってきた甲斐があったと思いました。
そして剣ヶ峰へ
富士山の御来光を山頂ではなく9合目で拝むことになりました。
高山病の影響もあってかなりのスローペースでの登山となってしまい、御来光を拝んだあとをどうしようかと悩みます。しかし富士山最高峰の剣ヶ峰まで行っていないことを思い出します。
もう二度と富士山に登ることはないから、剣ヶ峰に行かなくては。と思います。
午前6時30分。ようやく山頂に到着。剣ヶ峰の気象台が見えます。
この写真だけ見ればすごく天気がいいです。
午前7時。ようやく剣ヶ峰に到着。天気がいいですねー
写真を撮ってくださった方には申し訳ないですが、撮り方をしっかりと言っておけばよかった。
しかし、あたりは雲に覆われ、展望は全くありませんでした。
すぐに下山しようかと思いましたが、せっかく来たんだから・・・ということでお鉢巡りをします。
お鉢巡りへ
富士山は活火山です。お鉢とは、すなわち噴火口のこと。その周りを歩きます。
火口付近は荒々しい光景が広がります。
いつものごとく曇ってきます。
お鉢巡りは午前9時に終了。富士宮ルートから下山します。
しかし、やはり下山時の記憶はあまりない。次の山はどこに行こうかと考えながら下山します。
雨は降りませんでしたが、ずっと曇っている状態だったと思います。小学生、中学生の夏休み登山が多く、学校で上っているところもあったりで、人の通過を待ったりでなかなか降りれなかった気がします。
書き忘れていましたが、富士宮ルートは登山道は狭いので注意が必要です。
午後0時に下山。下山後は雨の中を京都まで帰りました。
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