【秋雨に濡れながら】三俣山荘に行ってきた(一日目)【新穂高~鏡平小屋】

鏡池から

2018年、9月。

黒部五郎岳に登るために新穂高温泉までやってきました。

目次

山旅の始まり

午前7時。さて、新穂高温泉登山者用駐車場の車の中で朝ご飯を飲み込んだところで、出発です。

天気は案の定の雨です。しかもまあまあきつい。

新穂高センター

2018年から使わなくなったスマートフォンをGPSログとして運用することにしました。

カメラはオリンパスのOM-D 5Ⅱを使っていて、カメラは防水ですが、レンズが濡れて写真がきれいに撮れないため、スマホのカメラで雨天時は写真を撮りました。

スマートフォンは京セラのトルクです。一日目は雨のため、トルクで写真を撮りました。

新穂高温泉ゲート

新穂高温泉から登山口に入ります。といっても途中まで林道歩きなんですけどね。雨は止むことはなく、強く降っていました。ほかの登山者にも会わず、もくもくと一人で歩きます。

わさび平まで

川の水が増水して激流となっていました。歩いていると、ゴーという音が常にする状態。

雨はザー、川はゴー。騒がしいです。

わさび平小屋に到着

わさび平小屋

午前9時。わさび平小屋に到着。雨は止みそうになく、さらに強く降ってきます。ここから先は登山道に入っていきます。想像以上の雨で体が冷えたので、ホットミルクを注文。雨がかなりきつかったので、ここで引き返そうか悩みます。

山小屋のご主人より、わさび平から先は普段は沢があり、普段は枯れているとのこと。しかし大雨の影響で増水して川になっているかもしれないと聞きます。

天気予報を見ていたのですが、どうやら大雨警報が出ていたようでした。

30分ほど雨宿りをしていましたが、雨が弱くなる気配はせず。しかし、鏡平から下山してくる人がいたので、渡渉できないほどの水量はないと判断。先に進むことにします。

わさび平から

自然があってきれいな川ですよねー川が白く見えるー清流ってやつですよねー

自分をごまかしながら歩きます。

わさび平から

秩父沢に到着しました。歩けないほどの激流ではなく、橋もしっかりとかかっている状態。大雨だと橋が流されるとのことでしたので、今回の雨はそこまでではないようです。

わさび平から

雨で増水したいい感じの沢を何度か渡ります。周りは雨。当然景色はありません。相変わらずのゴーとザーの協奏を聞きながら登ります。

しかし、睡眠不足と運転の疲れがどっと押し寄せてきて、急にお腹が空いてきました。新穂高から鏡平小屋までは小池新道という登山道を登り、途中、沢付近が開けていたりして休めるのですが、屋根のある休憩所などは存在しません。

なんとか雨宿りできそうな場所を探しましたが、見つかりませんでした。苦肉の策として登山道の木の下で休むこととします。

雨のきつく降る中、おにぎりを二つ飲み込みます。

大雨の中、木陰で雨に耐えながら、おにぎりを頬張る。なんとも言えない感じになりました。途中、何回か吐きそうになりながらもなんとかおにぎりを飲み込み、エネルギーを補給します。果たして今後、人生で大雨のなか、おにぎりを飲み込むようにして食べることが何回あるでしょうか。

おにぎりの味、プライスレス。そう思いながら、登山道でおにぎりを食べました。

鏡平小屋に到着

鏡平小屋

午後1時、いい思い出ができたとテンションを無理に上げながら、鏡平小屋に到着です。

ここから双六小屋までは約2時間。まだ雨がきつく降り続けます。

お腹が満たされましたが、いろいろと濡れています。靴はゴローさんの革靴なので、当然濡れています。レインウェアを着ていますが、体も濡れています。当然、心は泣いています。

あと2時間歩いて双六まで行こうか悩みましたが、あと2時間の登りはしんどい。心が揺れます。

予定変更

ここで一つの決断をします。

一日目は双六小屋で一泊する予定でした。しかしいろいろと濡れていて、体力的、精神的にこれ以上歩くのはしんどい。歩けないまではないけど、2泊3日の山旅で初めから無理はしたくない。

そう思い、鏡平小屋で一泊することにします。

そうなると、2日目の予定です。

明日の天気は雨の予報。鏡平小屋で一泊として黒部五郎小舎まで行こうとすると、約6時間の行程となります。黒部五郎小舎から黒部五郎岳まで一時間。そこから小屋までまた一時間。合計して8時間の行程となります。

雨の中、8時間を歩いて展望が見えるかわからない黒部五郎岳に登りたいのか。自問自答した結果、やはり天気のいいときに登りたい。当たり前にそう思います。

そのとき、ちょうど今年の夏に某テレビ番組で三俣山荘が紹介されていたのを思い出します。

三俣山荘ではジビエシチューが名物とあり、いつもは満員御礼の小屋ですが、この雨なら来る人も少ないだろうと予想します。

今回の山旅は黒部五郎が目的でしたけど、またもやお預けということで、三俣山荘に行くことにします。

鏡平小屋にて一泊

この日の鏡平小屋の利用者は8人ほど。

一人布団一枚。隣の人と布団三枚は離れているような環境で一泊となりました。

大部屋の二階は誰も使っていないような環境。通常ならあり得ないでしょう。

乾燥室も広く、すぐに乾かすことができました。

鏡平小屋の何がいいかって、トイレがきれいなことです。

においもきつくないトイレでとてもきれいでした。

午後1時に山小屋について何をしようかと思っていましたが、靴を乾燥させたりしていると、あっという間に時間は過ぎて夕方になります。

夕方にはあれだけ降っていた雨も収まり、明るくなってきます。

鏡平山荘から

ちょうど季節は初秋。ナナカマドの赤い身に雨粒がついて鮮やかに映ります。

雨に濡れなければ、こういったものは見れないので、やっぱり登ってきてよかったと思いました。

鏡平小屋のご飯

鏡平での夕食。ボリューム満点、とても豪華です。いつもこうなんでしょうか。そうめんまでありました。

コロッケ、餃子、春巻き、ひじき、カボチャ、ポテトサラダ。

どれもおいしくいただきました。

鏡平から夕食後、すっかり雨が上がります。鏡池に槍が見えるかもと外に出ます。

鏡平から

ゆっくりと槍ヶ岳が姿を現します。

鏡池から

鏡池に夕暮れの槍が映ります。槍ヶ岳なんてたぶん見えないだろうと思っていたものが見えるとうれしいもんですね。

夜にもしかすると星空も見えるかもと淡い期待を持ちましたが、そんなに甘いことはなく。夜は雲の中のようで、星空は全くなく、静かな夜を山小屋で過ごし、2日目を迎えます。

続く。

鏡池から

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