2018年、秋
黒部五郎岳に登る計画を立てましたが、当日の大雨で鏡平小屋で一泊とすることにしました。
そのため、2日目の計画の変更をし、三俣山荘まで行くこととしました。
この記事は鏡平小屋~双六小屋~双六岳~三俣山荘~鷲羽岳の記録です。
目次
山旅二日目
鏡平小屋で一泊し、二日目の朝を迎えます。
外に出てみると、予想に反して雨が降っていない。そして意外と槍がきれいに見える。雨と思っていただけに槍が拝めるとは思っていませんでした。
鏡池に朝焼けが映ります。意外といい景色かも。
天気が悪かろうが、いろいろな景色を見せてくれるのも山登りのおもしろさの一つだと思います。
朝ご飯を食べて出発。すっかり晴れました。あれ、今日の天気は雨では・・・
そう思えば天気では高気圧が掛かって晴れの自分で晴れの予想をしていたのでした。やっぱりテレビとかの天気予報は当てにできませんね。
西鎌尾根に秋の空が広がります。
だんだんと雲が出てきましたが、穂高の山並みがくっきりと。
穂高の山並みはかっこいいですよね。蝶ヶ岳のときもきれいな山並みが見えましたが、こちらからのほうがより近い感じがして迫力がありました。日が当たらず陰になっていて黒く見えるからでしょうか。
雨に濡れたナナカマドと秋空が広がります。葉の先端が赤く色好き始めています。秋がやってきます!
双六小屋へ
午前8時30分、鏡平から登りを約2時間歩いて双六小屋に到着。鏡平から双六まで意外と歩きました。だいたいコースタイム通りです。鏡平小屋から双六小屋までこれといって危険個所はないのですが、稜線に切れ落ちているところもあり、とても疲れているときや、風の強いとき、雨のときは歩きたくない道だと思いました。
双六小屋は200人収容のやや大きな山小屋。裏銀座などの中継地点でもあります。「登山基地」そんな印象を受けます。つまりはみんな大好き秘密基地のような感じです。
双六小屋でカロリーメイトでエネルギーを補給して、気合を入れて双六岳を目指します。
双六小屋から三俣蓮華岳までは三つのコースがあり、中道、巻道、稜線歩きと選べますが、今回は双六岳に登り、稜線を歩いて三俣蓮華岳を目指します。
なんやかんやで双六岳頂上付近。広い山頂が広がります。写真でよく見る光景ですが、写真では伝わらない広々としてところでした。こういうことは実際に行ってみないとわからないものです。
しかし天気は悪く、双六岳山頂から本当は槍ヶ岳がきれいに見えるのですが、曇っていて見えず。うっすらと槍のような影が見えるだけです。
雲の隙間から見える槍ヶ岳。雲に隠れていようが槍ヶ岳はわかります。
双六岳を通り、三俣蓮華岳に向かいます。きれいな稜線が見えるはずですが、あまり展望は望めず。
しかし、歩く先にかすかに鷲羽岳が待ち構えています。
双六岳の稜線からカールを見ます。下に見えるのは巻道コースで、カールの中を歩くコースとなっています。
草原が広がるきれいな風景です。上からでもわかります。絶対にきれいなところです。
午前11時30分。三俣蓮華岳に到着。
三俣蓮華岳は普通に歩いたら二日はかかるところにある山。山奥にやってきたと感じました。雲ノ平も見えたんですが、いまいちな天気。天気が良かったらすごい景色が見えたと思います。
ようやく三俣山荘へ
午後0時30分。本日の宿泊地としている三俣山荘に到着。
少し古さを感じる山小屋ですが、すごく手入れされている感じがして、きれいな山小屋でした。
特に寝室がきれいでいくつかの改修後、作られたものだと思いますが、階段にしても凝った作りをしていてこれだけで来た甲斐があったと思えるものです。毛布は二枚用意されていました。
お昼は三俣山荘で。食堂は山小屋の二階にあり、展望食堂と書かれていました。食堂からは槍ヶ岳の東鎌尾根が一望でき、まさに天空の食堂。すばらしいです。
メニューにボロネーゼパスタの文字を見つけ、がっつり行きたい気持ちとパスタが食べたいという気持ちが戦い、勝利したのはパスタでした。まさか山でボロネーゼパスタが食べれるとは。
ちなみにミートソースとボロネーゼはほとんど同じものみたいです。その違いは麺が丸麺か平打ち麺のようです。ミートソースが丸麺。ボロネーゼが平打ち麺。ということは、これはミートスパゲッティでは・・・
とりあえずおいしかったので、なんでも良しです。
鷲羽岳へ
お腹が満たされて、元気回復。鷲羽岳を目指します。
三俣山荘から鷲羽岳へは、鷲羽岳の稜線を歩くのですが、これがなかなかに堪える。急坂に思えなかったのですが、足に乳酸がたまります。つづら折りの登山道だったので、急坂なんでしょう。
午後2時45分。鷲羽岳に到着。表銀座の稜線がきれいに見えます。
表銀座の稜線は大天井岳がひょっこりと出ているだけでなだらかな稜線だとわかります。
15分ほど山頂にいましたが、いまいち天気は晴れず。三俣山荘に戻ります。
下山すると、天気が晴れてくるという山あるある。鷲羽池がきれいに見えました。この池もお化け池だそうです。
山の頂上付近にあって、どこからも水が入ってこないのに枯れない池。山に多いですよね。
みくりが池しかり、どれもきれいですが。
晩御飯はジビエシチュー
三俣山荘はいつも混んでいるイメージでしたが、このときは夏山と秋山の間で秋雨の季節。山のつかの間のシーズンオフだそうで、今回、三俣山荘に泊まる人は10人ほどでした。
お盆のときの話を聞くと、布団3枚に5人で寝たとのこと。布団は二階に案内してもらいましたが、隣は空き。かなりゆっくりできました。
もちろん夕食タイムも少人数。ゆっくりとご飯を食べることができました。
三俣山荘の名物「ジビエシチュー」
テレビ番組でも紹介されていました。ヤマレコを見ているとこれが目的で登る人もいるそう。予定変更後の目的です。
ジビエは煮込み料理がおいしくなると聞きます。まさにシチューに持って来いの食材。シチューは登山者のためを思ってか、味が濃い印象でしたが、鹿肉も柔らかく、臭みもあまり感じることはありませんでした。ジビエらしい独特なコクがあり、とてもおいしかったです。
晩御飯は、ジビエシチューとサラダとご飯だけ。鏡平小屋より少ないかと思いましたが、シチューの味が濃厚で、すぐにお腹いっぱいに。
シチューはお替り自由でした
ご飯を食べて、お外へ夕暮れ時を楽しみに行きます。
三俣山荘から歩いて鷲羽を見に行きます。ちょうどこの時は雲がなくなり日が沈んで空気が澄み始めているような感じでした。鷲羽は白いから暗くなってもよくわかります。
いつまで鷲羽は映るんだろうと思いましたが、日が沈んでも鷲羽はきれいに映ります。
山小屋の明かりがほんのりとオレンジ色に見えます。
ここまで天気がいいのだから、夜は星空が見えるかも。と期待しましたが、日が落ちて暗くなってくると急に雲が。夜中は雨が降っていました。
展望食堂では夕食後、黒部の歴史のスライドショーが上映され、三俣山荘の歴史もありとても面白かったです。黒部の山賊を読んだ人にはたまりません。スライドショーを見ながらサイフォンコーヒーを飲みましたが、香り高く、とてもおいしかったです。ワインを飲んでいる方もいましたが、酒は飲めませんので、コーヒーで我慢です。
大満足の二日目を終え、三日目に備えます。
続く。
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